強迫性障害

強迫性障害とは、不快な考えが頭に何度も浮かぶため、その不安を振り払う目的から同じ行動をくり返してしまう病気です。手を何度も洗わずにはいられないとか、戸締まりを何度も確認しなくては気がすまないなど、誰でもたまには経験する行動なのですが、それが習慣的かつ非常にエスカレートして生活に支障をきたすほどの状態が強迫性障害です。そして、患者さんが自分の不快な考えについて「こだわりすぎだ」と判断できるにも関わらず、こだわらずにいられないことが特徴です。

強迫性障害は英語でObsessive Compulsive Disorderというため、その頭文字をとってOCDと言われています。

1,症状

こだわりの考えを医学用語では「強迫観念」、こだわりに関する不安を振り払おうとしてくり返す行動を「強迫行為」といいます。

強迫性障害は患者さんによってこだわる内容は様々に異なります。けれども、共通していることがあります。それは冒頭にも述べたように、患者さん自身が少なくともある時点で「心配しすぎだ」「無意味だ」「周りの人からみたら、ばかばかしいことを悩んでいると思われてしまうだろう」などと感じていることです。これを「不合理性の認識」「自我違和感」といい、強迫性障害を診断するときの重要なポイントの一つになります。

稀な病気ではなく、一般人口の1.3~2%に認められるといわれています。人口の2%として計算すると、日本でも約250万人もの患者さんがいることになります。
また、強迫性障害の患者さんが治療を受けることでどれくらいよくなったかというデータもありますので、参考までに補足しておくと、適切な治療を受けた強迫性障害の患者さんのうち約1/4の人は著明に改善し、残りの1/2の人もある程度改善したと報告されています。
強迫性障害は治りにくいというイメージがあるようですが、適切な治療を継続すれば症状が改善される病気なのです。自分の行為に「あれ、これって少しやりすぎてない・・・?」と疑問を感じているにも関わらず、行為が次第にエスカレートしていくような場合には、そのままにせず、一度医療機関を受診して、専門医に相談することをお勧めします。

社会不安障害(SAD)では、強い不安症状が自律神経に作用し、さまざまな身体症状を発症することがあります。比較的、頻繁に見られる症状は以下のようなものです。

2,原因

強迫性障害の要因として、脳の一部(大脳基底核領域)における機能異常が指摘され始め、その機能異常には脳内神経伝達物質の1つである“セロトニン”が関与しているのではないかという仮説が立てられるようになりました。
この仮説では、私たちの脳の中には、「汚れを避ける」や「安全を確認する」といった情報をコントロールする部分があり、この部分に異常が起き、情報のコントロールが不能になったときに、強迫性障害のさまざまな症状が現れるのではないかと考えられています。そして、その情報のコントロールのために重要な役割を果たしているのが、神経伝達物質のセロトニンであると言われています。セロトニンは脳内の情報を神経細胞から神経細胞へ伝達する役割を担っているのですが、強迫性障害の場合、神経細胞から放出されるセロトニンの働きに何らかの問題が生じて、十分な情報の伝達が行なわれず、脳の強迫性障害に関わる部分での機能異常が生じると考えられています。

3,治療

強迫性障害の治療において重要なことは、まず、この病気について正しく理解することです。強迫性障害による強迫観念や強迫行為は性格や性質だからしかたがない、というものではありません。適切な治療を早期に開始すればよくなることが多いと言われています。
また、強迫性障害は症状が多様であり見分けにくい疾患であるため、専門医を受診して正しい診断を受けることが大切です。
強迫性障害の治療は「薬物療法」と「認知行動療法」の2つを中心として行われます。

薬物療法

 強迫性障害の治療のためのくすりには、強迫性障害の原因の1つと考えられている脳内のセロトニン系の異常を調整する働きを持つものを使用します。
セロトニン系の異常を調整するくすりの中でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内神経伝達物質のうちのセロトニン系だけに選択的に作用して、神経終末のセロトニンを正常に近い状態に調整します。

特に強迫性障害のくすりは効き目が現れるまでに時間がかかります。長い場合には、2カ月くらい同じくすりをのみ続けて効果が現れることもあるため、自己判断で「このくすりは効かない」と止めてはいけません。このようなことは、症状を悪化させたり、治療を長引かせる原因にもなります。副作用を認めた場合にも、すぐに医師に相談して対策方法を聞くようにしましょう。強迫性障害は、焦らずゆっくり取り組めばよくなることが多いと言われています。

医師の指示通りに、ゆとりを持って治療に取り組むことが大切です。

認知行動療法

 強迫性障害の治療は、必ずしもくすりさえ服用していればよくなるというわけではありません。
薬物療法に併用して、認知行動療法を行う必要がある場合があります。薬物療法を行わずに認知行動療法だけで治療できる場合もあります。認知行動療法は、認知療法と行動療法を組み合わせたものです。

一般的な方法としては、行動療法では、患者さんが強迫行動を引き起こすような状況に直面したときに、不安が自然に鎮まるまで強迫行動をしないでまてるようにします。認知療法では、病気を重くする悪循環の原因となっている病的な不安の仕組みをよく理解して、行動療法に安心してとり組むように援助します。また強迫観念を強化しやすい思考パターンが習慣になっていないかなどを検討します。

4,治療のコツ

 強迫性障害の治療を行なう上で最も重要なことは、その日、その日の強迫観念や不安の変化に一喜一憂しすぎないことです。症状には波があり、よくなったり悪くなったりをくり返しながら、全体的にはよい方向に向かっていきます。環境の変化やライフイベントによっても症状は大きく変化するものですが、一つ一つ波を乗り越えていくことで治療は進んでいくのです。したがって、症状が少し悪くなったからといって、焦って病院を変えたりすることはかえって逆効果です。

また、くすりの服用についても、安易に自己判断しないようにしましょう。強迫性障害の薬物療法では、くすりを徐々に増量していくことが一般的です。くすりの効き目が現れるには何日も、ときには何カ月もかかる場合があります。そして症状がよくなってもある程度の期間は服用を続ける必要があり、その後くすりを減らす場合には一度に中止せずに、徐々に減量していきます。必ず医師と相談しながら、くすりを服用しましょう。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、大腸や小腸に原因となる異常が見つからないのに、便通異常と腹部症状が続く病気です。主な症状は腹痛、腹部不快感や下痢、便秘などの便通異常です。

1,症状出現の特徴と分類

特徴

  • 症状は、仕事が忙しいときに出る
  • 症状は、通勤や通学の途中(電車に乗っている時など)に出る
  • 休日はなんともない
  • おなかが痛いのは昼間だけ。寝ている間は痛くならない
  • 最近、職場の異動、転校、転職、引っ越し、結婚など、生活上の大きな変化があった
  • 試験や会議の前あるいは最中など緊張する場面で、症状が悪化する
  • 映画を観たり、長距離ドライブなどトイレのない場所に出かけたりするのが不安だ
  • 旅行や出張先で、きまっておなかの調子が悪くなる
  • 気分の落ち込み、不眠、頭痛、肩こりなどがある

分類

  1. 下痢型
    しょっちゅうおなかが痛くなり、下痢をする
    【例】
    ・緊張すると、おなかが痛くなって下痢をする
    ・電車に乗ると、おなかが痛くなって、何度も途中下車してトイレにかけ込む
  2. 便秘型
    便秘が続き、排便の前におなかが苦しくなることが多い。
    【例】
    ・何日も排便がなく、うさぎの糞のようなコロコロとした固い便しか出ない
  3. 混合型
    下痢と便秘を交互にくり返す人もいます。
    下痢や便秘などの症状が1か月以上続いていて、ほかに原因となる病気がない方は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性が考えられます。

2,原因

  1. ストレス:身体的・精神的ストレスによって自律神経のバランスがくずれて起こる
  2. 腸管運動機能異常:腸の動きが過剰になってけいれんし、腹痛や便通異常が起こる
  3. 内臓知覚過敏:腸にわずかな刺激が加わっても、それを過敏に「痛み」と感じてしまうために腹痛や便通異常が起こる
  4. 炎症:急性腸炎のあと、完全に治りきっていないため、腸炎と似た症状(下痢と腹痛)が起こるとする説(最近、こう考える研究者が出てきました)

3,治療

食生活指導

 基本的には、3食きちんと食事をとり、ゆっくりと食べる習慣をつけることです。夜食などは厳禁です。また、食べるものも良いもの、悪いものがあるので指導していきます。

薬物療法

 第一段階として、過敏性腸症候群に効果のある便通を整える薬が使われます。「セレキノン」「ポリフル」「イリボー」などが代表的です。

第2段階として、改善しなかった下痢や便秘に対しての対症療法的な薬物療法が開始されます。下痢であれば「ロペミン」、腹痛であれば平滑筋の収縮を抑制し、下痢や腹痛を和らげる抗コリン薬であるチキジウム、メペンゾラート などを使います。
第3段階として、精神的な部分に作用する抗不安薬や抗うつ薬などを適切に使っていきます。

4,治療のコツ

 心療内科や精神科では、下痢止めや腸のケイレンを止める薬など、対症療法的な薬だけでなく、必要ならば抗不安薬、抗うつ薬を処方して、精神的な苦痛を和らげる方法も一緒に考えます。
腸と脳は、『脳腸相関』といって、密接な関係があります。というのも、腸には脳と同じ神経が多く分布し、それらは自律神経でつながっているからです。脳が感じた不安やプレッシャーなどのストレスは、自律神経を介して腸に伝わり、運動異常を引き起こします。また、下痢や便秘などの腸の不調も、自律神経を介して脳にストレスを与えます。つまり、脳腸相関によって、ストレスの悪循環が形成されるのです。過敏性腸症候群の場合は、特に腸が敏感になっていますから、ちょっとしたストレスにも反応します。また、少しの腹痛でも脳は敏感にキャッチし、不安も症状も増幅していきます。実際、何年も思い悩んでいた症状が、精神的な薬の服用で、治ってしまうケースも見られますので、怖がらずに受診してみてください。

子どもの不安症(不安障害)

 子どもや青少年の不安障害の一般的な症状は、激しい恐怖や過度の心配あるいは不安感です。これらの症状は長期に渡ることもあり、著しく患者の生活に支障を与えることになります。不登校の繰り返し 、中途退学 、友達関係が悪くなる 、自分はだめな人間だと低い自己評価をする 、学校などの活動の場での不適応 などです。

通常、ストレス反応としては、頭痛や発熱などの身体症状で反応する〈身体化〉と、不安やうつなどの精神症状で反応する〈心理化〉、さらに行動上の変化として反応する〈行動化〉の三つに大別されます。子どもの場合はこの三つに分化しないことも多いのですが、通常は身体症状として表現されることが多いことが知られています。不登校の子どもをみても、初期には腹痛や頭痛、発熱などの身体症状ではじまることが多く、しばらくしてから心理化や行動化が経験されます。

1,種類と症状

全般不安症(全般性不安障害GAD)

 全般性不安障害にかかった子どもや青少年は日常生活において極端で非現実的な不安に陥ります。学校の成績や、スポーツ活動に対し過度の不安になったり、時間通りに行動できるかについても心配したりします。全般性不安障害のある若者は、たいていの場合、自意識過剰で強く緊張しており、必死になって安心感を求めています。又、身体的な原因は何もなさそうなのに、腹痛や他の不調を訴えるケースもあります。

パニック症(パニック障害PD)

  不明確な原因の「パニック発作」を幼児期や青年期に繰り返すことはパニック障害の兆候です。パニック発作は、一定期間続く激しい恐怖感で、その間、激しい動悸、発汗、めまい、吐き気、死が迫ってくるような感覚におそわれます。発作時に体験する恐怖感があまりに強いので、患者は次の発作が起きる恐怖(予期不安)におびえながら生活することになります。

限局性恐怖症(特定の恐怖症SP)

 恐怖症の子どもや青少年は特定の状況や物事に対して非現実的かつ過度の不安を抱きます。恐怖症の多くはそれぞれ病名があり、主に動物・嵐・水・高所・密閉空間などに対する恐怖症があげられます。社会恐怖症のある子どもや青少年は他人から非難されることや厳しい評価を受けることを恐れます。また、恐怖症のある若者は恐怖の対象である物事や状況を避けるようになるので、生活が著しく制限されてしまいます。

社交不安症(社交不安障害SAD)

  発症年齢の平均は11-12歳、発症年齢が若いと予後がよくありません。SADの子どもは欠席率が高く,友達が少なく,主観的不適応感が強いのが特徴です。児童期のSADは他の精神疾患や自殺のリスクを高めます。多くの人が性格だと考え,治療可能な疾患だと知らないために,治療開始時期が遅れてしまっています。治療を受けない限り,症状はほとんど変化しません。治療は、SSRIを中心とした薬物療法と認知行動療法がベースで積極的に受診することを勧めます。

強迫症(強迫性障害OCD)

  強迫神経症のある子どもと青少年は特定の思考・行動を繰り返すパターンにはまってしまいます。何度も繰り返して手を洗う、数を数える、物を置きなおすなどの行動をとります。

心的外傷後ストレス障害PTSD

 子どもや青少年はストレスが非常に高まる事件・事柄を経験した後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症することがあります。身体的又は性的暴力を受ける、暴力行為を目撃する、爆破事件やハリケーンなどの惨事に遭うことなどがPTSDを誘発します。PTSDの若者は、強烈な記憶やフラッシュバックによって、あるいはその他、困りきったときの思考を通して、その苦しかった事件を何度も何度も反復して体験します。

2,頻度

 不安障害は、幼児期と青少年期に発症するもっとも一般的な精神、情緒、行動に関する障害です。子どもと青少年(9~17歳)100人中13人がなんらかの不安障害を経験しています。女子の罹患率は男子の罹患率よりも高いというのが特徴です。不安障害を抱えた児童と若者の半数は、複数の不安障害、あるいは、鬱病などの精神障害や行動障害を併発しています。不安障害の患者は、身体の状態も悪く、身体面に対しても治療の必要がある場合もあります。

3,治療

的確な診断後の治療は以下の通りです。

  • 認知行動療法-患者の若者が、考え方や行動を改善して不安症状の軽減を図る。
  • リラクゼーション療法
  • 家族療法
  • 両親のトレーニング
  • 薬物療法

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の有病率は、疾患の認知が進んでいないため、多くの患者さんが見逃され、十分な治療を受けられないままになっていると考えられます。むずむず脚症候群は生死に直結する疾患ではありません。しかし、睡眠中の脚の不快感により、安らかな眠りを得ることができにくくなりますし、並存しやすい睡眠時周期性四肢運動によって睡眠が妨げられるので睡眠時間が著しく短くなります。

このため疲労・消耗し、慢性的な睡眠不足のため、仕事や社会活動など日中の機能が大きく損なわれます。その結果、気分の変調をきたし、うつ的になったり人間関係が悪化したりすることもあるほどです。むずむず脚症候群を的確に診断・治療することは生活面の向上を図る上でも大変重要です。

1,症状と有病率

むずむず脚症候群(RLS)は,安静時に「下肢の不快感を伴い,下肢を動かしたいという強い欲求を生じる」ことを主症状とし,睡眠時周期性四肢運動(PLMS)を伴うことが多く,夕方から夜間にかけて症状が増悪します。患者は下肢の不快感を「むずむずする」「虫が這っている感じがする」「過敏になっている」「うずく」「ほてる」「ずきずきする」など多様な表現で訴える方が多いです。むずむず脚症候群(RLS)は,睡眠障害の原因の第2位を占める重要な疾患であるにもかかわらず,わが国ではほとんどの患者が未治療であるのが現実です。

一般人口のむずむず脚症候群(RLS)の有病率は,全体で4.01%であり,女性4.86%,男性3.03%と,女性に多い傾向があり,一般的に,年齢とともに有病率は高くなると報告されています。小児期にも少数ではありますがみられ、成長痛として見過ごされたり、ADHDと誤診されている場合もあるほどです。

2,原因

  • 原因不明の特発性のもの
  • 鉄欠乏,妊娠,腎不全,糖尿病などを原因とする二次性のもの
特発性のドパミン神経系の病理
 特発性むずむず脚症候群(RLS)の治療には,ドパミンアゴニストやL-DOPAなどのドパミン作動薬が有効であることは知られています。下肢の不快感やPLMSの機序の一部には,ドパミン神経系の異常に重畳した末梢神経の感覚入力の障害,中枢の感覚運動の統合障害と末梢への抑制欠如,そして脊髄の興奮性増強の三者が関与するものと推定されています。
鉄欠乏によるもの
 むずむず脚症候群(RLS)の有力な原因の1つとされる鉄欠乏は,むずむず脚症候群(RLS)患者の約30%に認められます。むずむず脚症候群(RLS)患者では髄液中のフェリチン値が低下し,トランスフェリン値が増加し,むずむず脚症候群(RLS)患者における中脳黒質の鉄含有量が低下していることが報告されています。このようなむずむず脚症候群(RLS)の鉄欠乏の関連は,ドパミン産生にはチロシンヒドロキシラーゼが律速酵素となるのですが,その活性に鉄が重要な役割を果たすためであると推測されています。以上の報告や鉄欠乏動物の実験などから,尾状核および被殻におけるD1およびD2ドパミン受容体の密度低下およびドパミントランスポーター機能低下,および細胞外ドパミン濃度の上昇などが生じ,むずむず脚症候群(RLS)発症に関与するとみられています。

3,治療

 むずむず脚症候群(RLS)の治療開始にあたっては,まず特発性と二次性に鑑別する必要があります。二次性むずむず脚症候群の場合,原疾患の治療が第一となります。特発性むずむず脚症候群(RLS)では,非薬物治療と薬物治療の2つに分かれます()。非薬物治療には,睡眠衛生の指導,飲酒・カフェイン・喫煙の制限などです。欧米では,中等度以上の患者に対して,鉄剤,L-DOPA,ドパミンアゴニスト,抗けいれん薬,オピオイド,ベンゾジアゼピン系薬などの薬物が使用されています。

上述の薬物のうち,副作用のリスクが少ないことを考慮して、むずむず脚症候群(RLS)治療の第一選択薬は非麦角系ドパミンアゴニストとなっています。

以上より,むずむず脚症候群(RLS)では,有効性と安全性を考慮すると非麦角系ドパミンアゴニストが第一選択となるが低用量からの開始と維持を守ること,鉄欠乏に注意し定期的に血清フェリチン濃度をモニタリングすることなどが重要です()。

図 レストレスレッグス症候群の治療アルゴリズム
図 レストレスレッグス症候群の治療アルゴリズム

表 レストレスレッグス症候群の治療のまとめ
表 レストレスレッグス症候群の治療のまとめ

子どもの発達とこころケア外来 (専門外来初診日:毎週日曜日)

子供18歳以下の子どもが持っている心の悩みや心の発達の問題は時代と管理社会によって変わってきます。大人以上に子どもは時代の流れに敏感で、子どもから教えられることもしばしばです。当クリニックでは、子どもとその家族中心の医療・療育サービスを少しでもお力になれればと考えています。

少子化、合計特殊出生率の減少に相反して、子どものこころの悩み、不適応、情緒・行動障害は年々増加しており、今後、児童思春期精神医学の役割は今以上に重くなるものと考えます。

当クリニックは、理念として専門的で良質な医療は当然のこととして、第一に患者さん(特に子ども自身)中心の医療を行うこと、患者さんの満足度・信頼度の向上、インフォームド・コンセントの充実、地域・関連機関とのより良い連携を掲げています。
当クリニックの行う児童青年精神科専門医療の主な目的は子どものこころの健康保持・増進、子どもの悩みや心の障害の早期発見・理解・対応・治療です。具体的には下記のようになります。

  1. 専門医による診断確定
  2. 他大学大学院心理相談室・教育相談センター・児童相談所などと連携を取りながら医療と福祉、そして教育機関の連携
  3. 子どもが多くの時間を過ごしている学校での教育・連携を重視し、時として直接保育園・学校訪問などを行い、最新でわかりやすい精神科医療情報を教員の方にも理解していただけるように講演活動などをしています。

診療および医療活動の主な対象としては、毎週日曜日に外来にて児童青年期専門外来{児童・発達障害、LD・ADHD(学習障害・多動性障害)、子どもの気分障害、摂食障害、こだわり(強迫性障害)}で行います。特に得意な分野としては下記のものです。

  1. 幼児・学童期における不注意さ・落ち着きのなさ、衝動性(AD/HDなどの知的に高い発達障害→詳細はこちら
  2. 学童期・思春期に見られるカッとなりやすさ・イライラ感(子ども特有の気分障害
    →詳細はこちら
  3. 醜形恐怖・視線恐怖・不潔恐怖などの強迫性障害→詳細はこちら
  4. 瞬目などのチック障害→詳細はこちら

薬薬物療法は、子どもに対して慎重にならなければなりません。
抗不安薬・睡眠薬は、長期的に見ると成長によい影響を与えず逆に悪化することもあります。抗うつ剤は、SSRIs(パキシル・ルボックス・デプロメール)が情緒不安定にさせてしまうことがあるので使用できないことが多いです。ですから、初めは漢方薬を使うことがあります。その時は、お母様のカルテを作り、漢方薬を処方しています。これを、「母子同服」といって、子どもだけでなくお母さん自身も治療に参加しているというメッセージをお子さんに伝えることにより、より大きな効果が期待できます。中枢神経刺激薬・三環系抗うつ薬・気分安定剤(リーマス・デパケン・テグレトールなど)・気分安定作用のあるβ-blocker(インデラル)、α刺激薬(カタレプス)などと治療として使うことがあります。
18歳未満のADHDの診断手続きについては、こちら

※当院では、お子さんに処方するときは、お母様のカルテを作り、採血を行った上で漢方薬もしくは軽い抗不安薬などを処方しています。
これを、「母子同服」といって、子どもだけでなくお母さん自身も治療に参加しているというメッセージをお子さんに伝えることにより、より大きな効果が期待できます。採血がこわいお子さんが、親が先に採血をしていることによりお子さんが「お母さん(もしくはお父さん)は、痛がらずにやっているんだ。薬も飲んでいるし、本当はそんなにこわいことではないのかもしれない」という治療複合体を作ることだけで子どもの症状が治まってしまう場合さえあります。
日曜日初診の予約料はコチラ

憂うつ・不安専門外来 (初診受付:日曜日も含む診療日)

 当院の「憂うつ・不安専門外来」は、病的な不安・憂うつ気分を正確な診断と治療法の決定のための予備診察とその後の専門医による本診察の2段階にて行われます。

対象となる「病的な不安」「病的な憂うつ」の詳細な原因・症状・治療については
下記のようなものです。

病的な不安

不安は誰でも経験する感情の一種ですが、はっきりした原因がないのに不安が起こり(あるいは原因があっても、それと不釣り合いに強く不安が起こり)、いつまでも続くのが病的な不安です。不安障害では、この病的な不安とそれに伴う身体症状が主症状となります。

なお、国際疾病分類などでは「神経症」という用語は正式な診断名としては使われなくなっており、従来の不安神経症にあたる診断名は、現在では「パニック障害」か「全般性不安障害」です。

症状の現れ方は、一般に、神経症の原因は心理的な出来事(心因)とされており、不安神経症の場合も、何らかの精神的なショック、心配ごと、悩み、ストレスなど、精神的原因と思われる出来事のあることもありますが、まったくないこともあります。過労、睡眠不足、かぜなど、身体的な状況がきっかけになることもあります。

慢性的な不安、過敏、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、集中困難などの精神症状と、筋肉の緊張、首や肩のこり、頭痛・頭重(ずじゅう)、震え、動悸(どうき)、息苦しさ、めまい、頻尿(ひんにょう)、下痢、疲れやすい、不眠(寝つきが悪い、途中で目が覚める、眠りが浅い)などの多様な身体症状(いわゆる不定愁訴)があります。

診断にあたっては、症状の推移が重要です。何かにつけて過度の不安や心配がつきまとい、それが慢性的に続く(診断基準では6カ月以上)のが特徴で、不安に伴ういろいろな精神身体症状が現れます。多くの患者さんは身体症状のほうを強く自覚し、どこか体に重大な病気があるのではないかと考え、あちこちの病院で診察や検査を受けるのが常ですが、症状の原因になるような身体疾患はみられません。

経過は慢性で、日常生活のストレスの影響を受け、よくなったり悪くなったりが続きます。途中から、気分が沈んでうつ状態を伴ったり、うつ病に移行することもあります。

 専門医の診察で「不安障害」と診断されたら、気のせいなどではなく不安の病気なのだと受けとめ、信頼できる医師のもとで根気よく治療を続けてください。症状の完全な消失を求めるのでなく、少しでもよくなったら、そのぶん前向きに生活していく態度が肝要です。薬物療法と精神療法が行われますが、専門医がその人にあった治療法を本人と話し合って決めていくことになります。

病的な憂うつ

病的な憂うつの症状は以下のようなものです。

  1. 気分が落ち込む、憂うつだ。
  2. 心身ともに疲れを感じる。
  3. 悲しみから抜け出せない。
  4. 思考がまとまらない、集中できない、判断ができない。
  5. イライラする、落ち着いていられない。
  6. 自分がみじめに感じる、劣等感にとらわれる。
  7. 頭が重い、体がだるい。
  8. 目覚めが悪い、朝起きられない。
  9. 寝つきが悪い、眠れない。
  10. 本や新聞が読めない、読んでも理解できない。
  11. 人と会いたくない、家に引きこもる、動くのがおっくう。
  12. さびしい、不安を感じる、疎外感を感じる、違和感を感じる。
  13. 食欲がない、食べ物がおいしく感じない。
  14. つらい、絶望感を感じる、死にたいと思う。

 正常な憂うつ気分は、長くても1週間以内で自然と治まっていくものです。それは、下記のような3つのことが自分の中で行われているからです。

1 ストレスに対する生体の作用
アドレナリンやノルアドレナリン、副腎皮質ホルモンなどの分泌がうまく働くことで、ストレスを軽減することができます)
2 合理的な思考
つらい事実を少しずつ受け入れたり、現在の状況を正確に分析したりする考え方
3 問題解決行動
ストレスを軽減させるための理にかなった行動

 しかし、この3つの要素がきちんと機能しない場合、うつ病などの「病的なうつ状態」が現れてきます。そのときに置かれた生活環境に適応できない、という意味で、「不適応」とも呼ばれます。「病的なうつ状態」は、長期間続きます。よくなったと思っても、すぐにうつ状態(抑うつ)に戻ってしまいます。本を集中して読むこともできませんし、周りの人に励まされると、よけいにつらくなってしまいます。たとえば、次々とストレスとなるような出来事が起こったり、同時にいくつも重なったりした場合、すべてが片づくまで、相当な時間がかかります。また、ストレスの総量も相当なものになります。こんな場合に、「病的なうつ状態」に陥りやすくなります。

 このような状態になると、自分で解決しようとするのは危険です。専門医に相談して、治療が必要になります。

具体的に、「病的な憂うつ」「病的な不安」がひどくなったときの疾患について、ご説明しましょう。

女性 現在、気分障害のうつ病に関しては、国際的にも研究が進みいろいろなことがわかってきました。以前、私が研修医の時も「うつ病は必ず治る」今までのことをねぎらってあげなさい」と指導する先輩の精神科医師から言われました。
ところが最近になって、うつ病・気分変調症などの気分障害やパニック障害の10-15年追跡した長期的前向き研究で、最近になって研究結果がわかってきました。以前言われていたような「うつは必ず治る」という結果ではなく、完全寛解率は15年後30-40%にすぎず、残りの60-70%は不完全寛解でうつ病がさらに悪化して自殺に至った方も5-10%いることもわかりました。詳しくは下記の円グラフと説明をみていただければわかります。
また、パニック障害6-10年後での病状は、完全に緩解している人は30%にしかすぎません。その意味では、十分な治療を信頼できる医師に定期的に受診する必要があります。「うつ病の治療はいつ終わるのか?」はココをクリック!DSM-Ⅳ-TR 2002 American Psychiatric Association から引用しています。


1. 大うつ病性障害
【経 過】
大うつ病性障害のエピソードは、しばしば愛する者の死離婚といった重度の心理社会的ストレス因子に引き続いて起こり、いかなる年齢においても発症しますが、平均年齢は20代半ばです。
大うつ病性障害 経過
「大うつ病性障害、単一エピソード」の発症者の約5~10%は後に躁病エピソードを発現し、双極Ⅰ型障害(躁うつ病)と移行していきます。
多くの方に、「大うつ病性障害、単一エピソード」の発症に先行して、気分変調症が存在します。
【予後・転帰】
症例の約2/3は完全寛解ですが、残りの約1/3は不完全寛解・部分寛解か、全く治らない場合もあるのが現実です。「うつ病の治療はいつ終わるのか?」はココをクリック!
大うつ病エピソードと診断された1年後に、40%の者が大うつ病の重篤な症状を依然持っていて緩解せず約20%の者は、いくつかの症状を持ち続けていて、基準を完全には満たさない(部分寛解)。40%の者には気分障害がない(完全寛解)家族の対応はココをクリック!

2. 気分変調性障害
【経過】
小児では、男女に等しく発症し、成人では、女性は男性より2~3倍発現しやすいことがわかってきています。
この障害を伴う小児や青年は、抑うつ的であると同時に、易怒的気難しい自己評価が低く社会的技能が不得意で、悲観的である事が特徴的です。
【予後】
気分変調性障害は慢性経過と同様に、しばしば早期かつ潜行性の発症(すなわち、小児期・青年期・成人早期より)を示します。学童期や思春期の時に、食欲不振(拒食症と診断されていたりします)、不登校、家庭内暴力などの問題を起こしては、いったん落ち着くということを繰り返していたりします。
気分変調性障害が大うつ病性障害に先行している場合、大うつ病性エピソードの間欠期にこの病気が完全回復する可能性は低く、より頻回のエピソードを生じる可能性が高いです。自然寛解率は10%と低いため、早期発見・治療が大切です。

3. パニック障害 (症状はココをクリック)
【有病率】
生涯有病率は3.5%に上るという報告があるが、ほとんどの研究では1~2%の頻度とされています。
【経過】
青年期後期から30代半ばの間の発症がもっとも典型的です。まれではあるが、小児期45歳以降の発症もみられます。 治療後6~10年後の経過
二峰性の分布を示し、1番目の山が青年後期、2番目の山は30代半ばとなります。家族の対応はココをクリック
【予後】
通常は症状の増強と減弱を繰り返し、慢性的な経過をとる。
DSM-Ⅳ-TR
2002 American Psychiatric Associationより
では、どうしたら正確な診断・治療を受ければいいのでしょうか。精神科の中に「治癒」という言葉は一般に使われず「寛解」という「症状が一時的もしくは永続的に消失すること」(加藤正明、他、精神医学事典、2001年、弘文堂から引用)が使われます。つまり、人の精神状態に「絶対」はないと言うことになります。だからといって、繁雑な仕事の多い精神科医師の短時間の診察でエビデンス(確かな証拠)より経験則で治療をされて、自分の精神状態が遷延化し、いつの間にか薬だけが多くなり、挙げ句の果てに上記の研究の結果にもあるように、10年後、不完全寛解状態もしくは悪化している状態になっても時間は戻ってきません。
当院は、まずはリラックスして頂くことを第一に考えております。こころの症状に不安をかかえている方へは、原因と症状を緩和する適切な方策をご案内し、少しでも安心をお持ち帰りいただきたいと願っています。お気軽に受診してください。