診察内容
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過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、大腸や小腸に原因となる異常が見つからないのに、便通異常と腹部症状が続く病気です。主な症状は腹痛、腹部不快感や下痢、便秘などの便通異常です。


1,症状出現の特徴と分類

特徴

  • 症状は、仕事が忙しいときに出る
  • 症状は、通勤や通学の途中(電車に乗っている時など)に出る
  • 休日はなんともない
  • おなかが痛いのは昼間だけ。寝ている間は痛くならない
  • 最近、職場の異動、転校、転職、引っ越し、結婚など、生活上の大きな変化があった
  • 試験や会議の前あるいは最中など緊張する場面で、症状が悪化する
  • 映画を観たり、長距離ドライブなどトイレのない場所に出かけたりするのが不安だ
  • 旅行や出張先で、きまっておなかの調子が悪くなる
  • 気分の落ち込み、不眠、頭痛、肩こりなどがある

分類

  1. 下痢型
    しょっちゅうおなかが痛くなり、下痢をする
    【例】
    ・緊張すると、おなかが痛くなって下痢をする
    ・電車に乗ると、おなかが痛くなって、何度も途中下車してトイレにかけ込む

  2. 便秘型
    便秘が続き、排便の前におなかが苦しくなることが多い。
    【例】
    ・何日も排便がなく、うさぎの糞のようなコロコロとした固い便しか出ない

  3. 混合型
    下痢と便秘を交互にくり返す人もいます。
    下痢や便秘などの症状が1か月以上続いていて、ほかに原因となる病気がない方は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性が考えられます。

2,原因

  1. ストレス:身体的・精神的ストレスによって自律神経のバランスがくずれて起こる
  2. 腸管運動機能異常:腸の動きが過剰になってけいれんし、腹痛や便通異常が起こる
  3. 内臓知覚過敏:腸にわずかな刺激が加わっても、それを過敏に「痛み」と感じてしまうために腹痛や便通異常が起こる
  4. 炎症:急性腸炎のあと、完全に治りきっていないため、腸炎と似た症状(下痢と腹痛)が起こるとする説(最近、こう考える研究者が出てきました)

3,治療

食生活指導

 基本的には、3食きちんと食事をとり、ゆっくりと食べる習慣をつけることです。夜食などは厳禁です。また、食べるものも良いもの、悪いものがあるので指導していきます。

薬物療法

 第一段階として、過敏性腸症候群に効果のある便通を整える薬が使われます。「セレキノン」「ポリフル」「イリボー」などが代表的です。
  第2段階として、改善しなかった下痢や便秘に対しての対症療法的な薬物療法が開始されます。下痢であれば「ロペミン」、腹痛であれば平滑筋の収縮を抑制し、下痢や腹痛を和らげる抗コリン薬であるチキジウム、メペンゾラート などを使います。
第3段階として、精神的な部分に作用する抗不安薬や抗うつ薬などを適切に使っていきます。

4,治療のコツ

 心療内科や精神科では、下痢止めや腸のケイレンを止める薬など、対症療法的な薬だけでなく、必要ならば抗不安薬、抗うつ薬を処方して、精神的な苦痛を和らげる方法も一緒に考えます。
 腸と脳は、『脳腸相関』といって、密接な関係があります。というのも、腸には脳と同じ神経が多く分布し、それらは自律神経でつながっているからです。脳が感じた不安やプレッシャーなどのストレスは、自律神経を介して腸に伝わり、運動異常を引き起こします。また、下痢や便秘などの腸の不調も、自律神経を介して脳にストレスを与えます。つまり、脳腸相関によって、ストレスの悪循環が形成されるのです。過敏性腸症候群の場合は、特に腸が敏感になっていますから、ちょっとしたストレスにも反応します。また、少しの腹痛でも脳は敏感にキャッチし、不安も症状も増幅していきます。実際、何年も思い悩んでいた症状が、精神的な薬の服用で、治ってしまうケースも見られますので、怖がらずに受診してみてください。

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