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強迫性障害

強迫性障害とは、不快な考えが頭に何度も浮かぶため、その不安を振り払う目的から同じ行動をくり返してしまう病気です。手を何度も洗わずにはいられないとか、戸締まりを何度も確認しなくては気がすまないなど、誰でもたまには経験する行動なのですが、それが習慣的かつ非常にエスカレートして生活に支障をきたすほどの状態が強迫性障害です。そして、患者さんが自分の不快な考えについて「こだわりすぎだ」と判断できるにも関わらず、こだわらずにいられないことが特徴です。

強迫性障害は英語でObsessive Compulsive Disorderというため、その頭文字をとってOCDと言われています。


1,症状

こだわりの考えを医学用語では「強迫観念」、こだわりに関する不安を振り払おうとしてくり返す行動を「強迫行為」といいます。

強迫性障害は患者さんによってこだわる内容は様々に異なります。けれども、共通していることがあります。それは冒頭にも述べたように、患者さん自身が少なくともある時点で「心配しすぎだ」「無意味だ」「周りの人からみたら、ばかばかしいことを悩んでいると思われてしまうだろう」などと感じていることです。これを「不合理性の認識」「自我違和感」といい、強迫性障害を診断するときの重要なポイントの一つになります。

稀な病気ではなく、一般人口の1.3〜2%に認められるといわれています。人口の2%として計算すると、日本でも約250万人もの患者さんがいることになります。
また、強迫性障害の患者さんが治療を受けることでどれくらいよくなったかというデータもありますので、参考までに補足しておくと、適切な治療を受けた強迫性障害の患者さんのうち約1/4の人は著明に改善し、残りの1/2の人もある程度改善したと報告されています。
強迫性障害は治りにくいというイメージがあるようですが、適切な治療を継続すれば症状が改善される病気なのです。自分の行為に「あれ、これって少しやりすぎてない・・・?」と疑問を感じているにも関わらず、行為が次第にエスカレートしていくような場合には、そのままにせず、一度医療機関を受診して、専門医に相談することをお勧めします。

社会不安障害(SAD)では、強い不安症状が自律神経に作用し、さまざまな身体症状を発症することがあります。比較的、頻繁に見られる症状は以下のようなものです。

2,原因

強迫性障害の要因として、脳の一部(大脳基底核領域)における機能異常が指摘され始め、その機能異常には脳内神経伝達物質の1つである“セロトニン”が関与しているのではないかという仮説が立てられるようになりました。
この仮説では、私たちの脳の中には、「汚れを避ける」や「安全を確認する」といった情報をコントロールする部分があり、この部分に異常が起き、情報のコントロールが不能になったときに、強迫性障害のさまざまな症状が現れるのではないかと考えられています。そして、その情報のコントロールのために重要な役割を果たしているのが、神経伝達物質のセロトニンであると言われています。セロトニンは脳内の情報を神経細胞から神経細胞へ伝達する役割を担っているのですが、強迫性障害の場合、神経細胞から放出されるセロトニンの働きに何らかの問題が生じて、十分な情報の伝達が行なわれず、脳の強迫性障害に関わる部分での機能異常が生じると考えられています。

3,治療

強迫性障害の治療において重要なことは、まず、この病気について正しく理解することです。強迫性障害による強迫観念や強迫行為は性格や性質だからしかたがない、というものではありません。適切な治療を早期に開始すればよくなることが多いと言われています。
また、強迫性障害は症状が多様であり見分けにくい疾患であるため、専門医を受診して正しい診断を受けることが大切です。
強迫性障害の治療は「薬物療法」と「認知行動療法」の2つを中心として行われます。

薬物療法

 強迫性障害の治療のためのくすりには、強迫性障害の原因の1つと考えられている脳内のセロトニン系の異常を調整する働きを持つものを使用します。
セロトニン系の異常を調整するくすりの中でもSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は、脳内神経伝達物質のうちのセロトニン系だけに選択的に作用して、神経終末のセロトニンを正常に近い状態に調整します。
  特に強迫性障害のくすりは効き目が現れるまでに時間がかかります。長い場合には、2カ月くらい同じくすりをのみ続けて効果が現れることもあるため、自己判断で「このくすりは効かない」と止めてはいけません。このようなことは、症状を悪化させたり、治療を長引かせる原因にもなります。副作用を認めた場合にも、すぐに医師に相談して対策方法を聞くようにしましょう。強迫性障害は、焦らずゆっくり取り組めばよくなることが多いと言われています。
  医師の指示通りに、ゆとりを持って治療に取り組むことが大切です。

認知行動療法

 強迫性障害の治療は、必ずしもくすりさえ服用していればよくなるというわけではありません。
薬物療法に併用して、認知行動療法を行う必要がある場合があります。薬物療法を行わずに認知行動療法だけで治療できる場合もあります。認知行動療法は、認知療法と行動療法を組み合わせたものです。
  一般的な方法としては、行動療法では、患者さんが強迫行動を引き起こすような状況に直面したときに、不安が自然に鎮まるまで強迫行動をしないでまてるようにします。認知療法では、病気を重くする悪循環の原因となっている病的な不安の仕組みをよく理解して、行動療法に安心してとり組むように援助します。また強迫観念を強化しやすい思考パターンが習慣になっていないかなどを検討します。

4,治療のコツ

 強迫性障害の治療を行なう上で最も重要なことは、その日、その日の強迫観念や不安の変化に一喜一憂しすぎないことです。症状には波があり、よくなったり悪くなったりをくり返しながら、全体的にはよい方向に向かっていきます。環境の変化やライフイベントによっても症状は大きく変化するものですが、一つ一つ波を乗り越えていくことで治療は進んでいくのです。したがって、症状が少し悪くなったからといって、焦って病院を変えたりすることはかえって逆効果です。
  また、くすりの服用についても、安易に自己判断しないようにしましょう。強迫性障害の薬物療法では、くすりを徐々に増量していくことが一般的です。くすりの効き目が現れるには何日も、ときには何カ月もかかる場合があります。そして症状がよくなってもある程度の期間は服用を続ける必要があり、その後くすりを減らす場合には一度に中止せずに、徐々に減量していきます。必ず医師と相談しながら、くすりを服用しましょう。

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